「熱帯森林利用のローカル・ガバナンスの可能性に関する地域間比較研究」は、京都大学地域研究研究統合情報センターの個別共同研究ユニット(2013-)です。
研究の目的
本研究では、世界各地の熱帯森林帯における地域住民の社会文化と森林保護管理の間に生じている諸問題の比較考察を通じて、グローバルな自然保護理念が政策過程を介して作動している森林管理と地域住民による森林利用とのあいだの懸隔をつなぐ可能性を探求する。
具体的には、森林保護に関わる官庁・自然保護NGO、先住権運動を進める行政や人権NGOなどの外来のアクターと地域コミュニティの生業・文化・利害の諸関係を地域間で比較考察して、地域住民の森林管理への自律的参加が可能となる社会経済的条件を考究する。
また、住民の森林と結びついた生活実践の論理や感性を本質論的に措定することを避けつつ、外部社会との相互交渉による変容や地域社会内部の多様性の双方を視野におさめて、研究者のアドボカシーの理論的枠組みの構築を試みる。
|